インバウンド向けコラム-中国人はなぜ大声で話すのか

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、ホテル業の方や中国人のお客様に接客する方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。

【中国人はなぜ大声で話すのか】

来日中国人旅行客が年間で700万人を越える中、道端や観光地で中国人をよく見かけるようになりました。そんな中で、大声で話す中国人同士を見て「うるさいな」とか「マナーが悪いな」と思われた方も少なからずいるのではないでしょうか。これは主に日本と中国の文化の違いが関わっていると思います。

第一の要因として中国語の声調があります。日本語の発音は平らで抑揚が少ないのに対し、中国語は同じピンインでも声調が異なることで意味がまったく変わってくるので、その音の高低が特徴的だと言えます。

第二の要因として大声に対する感覚の違いがあります。日本では幼少から公共の場では「他人に迷惑をかけない」という教育がなされますが、中国では声が大きいことは「元気がいい」「朗らか」「賑やか」という良い印象で、人と人の間の関係が密接で中国人はとにかく大勢で楽しく過ごすことが好きです。中国では大声で喋ることは、マナーが悪いという問題ではなく、それは日本人が公共の場で小声で喋るのと同じように、昔からの習慣だと言えます。

第三の要因として多民族国家で13億人も人口がいるので、大きな声で自己主張していかないと誰も相手にしてもらえないという国情があります。日本はほぼ単一民族で1億人弱の人口ですが、人口が多くかつ人種が多い国では、譲り合っていると競争に負けてしまい、自分が損しないよう自己主張をするのがコミュニケーションの基本と言えます。中国では『有理不在声高(声の大きさが道理のありなしではない)』ということわざもあり、自分が道理がない、間違っている人でも大声でアピールして自身の主張を押し通そうとしたりします。よく言えば「賑やか」悪く言えば「うるさい」中国で自分の意見を主張しようとすると、自然に声や身振りも大きくなっていくのです。

声の大きさは相対的なものであって、全ての中国人が大きな声で話す訳ではありませんが、上記のような文化の違いからくるものだと分かると、「賑やかな」中国人観光客とも楽しく交流できるでしょう!

 

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