中国ビジネス向けコラム-中国とWTOの歴史

 

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【中国とWTOの歴史】

中国は現在、WTO(世界貿易機関)の加盟国の一つですが、2001年に加盟が正式に認められるまでには紆余曲折がありました。
WTOの前身にあたるGATT(関税及び貿易に関する一般協定)へは、中華民国が1948年5月に加盟していましたが、1950年に政府を中国大陸から台湾島へ移したときに脱退をしました。1949年10月に中華人民共和国が建国されましたが、中華民国にかわって中国大陸を統治するようになってからも、GATTの枠組みの外に置かれる状況が長く続きました。

この事態に転機が訪れたのは、1986年7月に中華人民共和国政府が締約国の地位回復を申請したときです。新規の加盟申請ではなく地位回復を求めたのは、中華人民共和国が1950年の中華民国によるGATT脱退は無効とする立場をとっていたためです。交渉は当初順調にすすんでいましたが、1989年6月に起きた天安門事件で中華人民共和国が厳しい批判にさらされたのを境に停滞しました。1994年頃、ウルグアイ・ラウンドが終了したタイミングで停滞していた中国のGATT加盟交渉が再び前進をはじめ、中国政府も従来より大きく譲歩した条件を提示して努力を重ねましたが、GATT体制下での中国の加盟は実現しないままWTOへと移行しました。

WTO発足後の交渉は、大きな障害が生じずにすすみました。そして、2001年11月にカタールで行われた閣僚会議で全会一致で可決されて加入が承認され、12月に正式に加盟国になりました。このとき、台湾(中華民国)も加盟の申請手続きを行っており、こちらは2002年1月に加入資格が発効し、2つの中国はともに同じ年にWTOの加盟国に名を連ねることとなりました。
中華人民共和国はWTOへの加盟の前後に経済面や政治面において多くの改革を行い、市場の開放を加速させました。その結果、中国経済は飛躍的な成長をとげ、今日ではアメリカに次ぐ経済大国として君臨しています。

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