| “池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国の文化・流行を紹介しています。語学を勉強するにはその国の文化を理解することも必須です。中国文化を知ってより中国語を楽しみましょう!
【「丝瓜汤 」と中国の家庭文化】
ネット用語「丝瓜汤 sī guā tāng /ヘチマのスープ」
日本では、へちまは主に化粧水やスポンジ素材として使われ、食材としてはあまり一般的ではありません。
中国では「丝瓜(へちま)」は夏の代表的な家庭料理の食材の一つです。特に南方ではよく食べられ、炒め物やスープ、蒸し料理などに広く使われています。体の火を鎮める健康食として親しまれています。

最近、ある動画投稿者がアップした家庭を題材にしたショートドラマが大ヒットになって、中に出てきた「ヘチマのスープ(丝瓜汤)」という言葉がネットで大流行しています。
動画の中で、投稿者は一人で何役も演じ、「お母さん」が「息子」に「ヘチマのスープ飲む?」と聞きます。「息子」は「いらない」と答えますが、「お母さん」はすぐに“洗脳モード”に入り、ヘチマスープの効能を延々と語り続けます。ついに「息子」が怒ってしまうと、年配の「お母さん」はため息をつきながら、「そんなに怒ってどうしたの、肝の火が強すぎるわね。ヘチマのスープを飲んで火を鎮めなさい」と言うのです。視聴者の多くに「まるで自分の家のようだ」と共感を呼び、ネット上で話題になっています。

中国の家庭では、特に母親や祖母世代が養生(健康管理)意識をとても強く持っています。
そのため、「これは身体にいい」「○○を食べると火が下がる」といった“健康を理由にしたおせっかいが、日常的なやり取りとしてよく見られます。日本で言うところのお母さんがやたら味噌汁をすすめてくるような感覚です。
中国では、多くの親が子どもに対して過度な管理や感情のコントロールを行う一方で、自己反省が欠けていることが少なくありません。 彼らは自分の価値観を子どもに押し付け、子どもの自立性や自己表現を軽視しがちです。 親は一方的に意見を押し出し、自分の経験や信念、生活スタイルを「子どものため」として正しいと考える一方で、子どもの本当の考えや感情のニーズを無視してしまいます。
「ヘチマスープ(丝瓜汤)」の動画に描かれているように、親は「夏はヘチマスープを飲むと体の熱が下がる、健康に良い」という理由で、子どもに何度も勧めました。 しかし、子どもが本当に飲みたくないという意思を無視してしまいました。 このような、一見すると気遣いに見えるが実際には支配的な行動は、多くの中国家庭に共通する世代間コミュニケーションの問題を象徴しています。
「ヘチマスープ(丝瓜汤)」の動画が大ヒットした背景には、若者が自分を責める気持ちから解放されるきっかけとなったことがあります。 彼らは、これは個人的な問題ではなく、世代間のコミュニケーションに共通する課題であることに気づき、理解され、尊重されたいと強く望んでいます。また世代間コミュニケーションに対して、お互いに理解し、尊敬しあう新しい視点を提供しました。
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