| “池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任や出張などビジネス向けの方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。
【 中国文化と「東」「南」「西」「北」】
「做东」

なぜ人にごちそうすることを「做东」と言うのでしょうか。
中国の古典『礼記』には、主人は東側、客は西側に座ると記されています。古代では、客が訪ねてくると主人は東側の主座に座って客をもてなし、客は西側に座り、互いに向かい合って礼を交わすことで敬意を表します。東側に座る人が宴席を取り仕切り、最後に支払いをします。やがて「做东」という言葉に、「人をごちそうする」「お金を払う」という意味が生まれたのです。例えば、「今天我做东,谁都别跟我抢!」というのは「今日は私がおごるから、誰も私と会計を取り合わないでね。」という意味です。
また、「房东(大家)」や「东家(あるじ・店主)」といった言葉も、このような古代の礼儀作法に由来するとされています。
「归西」

なぜ人が亡くなることを「归西」と表現するのでしょうか。
これは仏教でいう「西方極楽浄土」に由来するとよく知られています。しかし、それよりも古くから、中国では西という方角は「終わり」と結びつけられていました。古代の人々は、自然観と世界観をもとに、東は太陽が昇る方角で、新しい命や希望の象徴だと考えました。一方、西は太陽が沈む方角であり、人生の終わりや別れを象徴すると考えられていたのです。さらに、伝統的な五行思想では、西は「金」に属し、四季では秋にあたるとされています。秋は草木が枯れ、あらゆる命が衰えていく季節です。そのため、古代の人々は「西へ帰る」という表現を使って、命の終わりを遠回しに、そして穏やかに表現したのです。
「买东西」

なぜ「買い物」を「买东西」と言い、「买南北」とは言わないのでしょうか。
一つ目は、後漢時代の二つの都が関係しているという説です。当時、天下には東の都・洛陽と、西の都・長安という二つの大都市があり、全国各地から集まった品物は、この二つの都で盛んに取引されていました。そのため、洛陽へ買い出しに行くことを「买东」、長安へ買い出しに行くことを「买西」と呼んでいたと言われています。
もう一つの説は、古代中国の五行思想に関係しています。古代の人々は、東は「木」、西は「金」、南は「火」、北は「水」に属すると考えていました。五行のうち、「木」と「金」は品物としてかごに入れて持ち運ぶことができますが、「火」と「水」は相容れず、持ち運んだり収めたりすることができません。
こうして、人々は買い物のことを「买东西」と表現するようになったのです。
「不撞南墙不回头」

「不撞南墙不回头」ということわざがありますが、この「南墙」とは一体何なのでしょうか。
これは中国古代の邸宅の建築様式と関係があります。当時の邸宅は、いずれも北を背にし、南向きに建てられていました。そして正門の前には「影壁」と呼ばれる壁が設置されていました。その役割は邪気を遮ることであり、最も重要なのは視線を遮ることです。
そのため、門からまっすぐ入っていこうとすると、この壁にぶつかってしまう構造になっていたのです。
こうしたことから、「撞南墙」という表現は、融通が利かず、頑固で引き返そうとしない人をたとえる言い方として使われるようになりました。「不撞南墙不回头」は壁にぶつかるまで、頑固にやり続けて引き返さないことを指します。
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