| “池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任の方、中国出張が多い方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。
【中国の若者の消費観-悦己主義】
経済成長の減速や物価上昇、将来不安などから、現在中国の若者の中で理性的・実用的な消費が広まっています。
消費環境が冷え込む中、若者は単に財布の紐を締めるだけではなく、「コストパフォーマンス」に対して厳しい要求を突きつけています。製品の実用性や長期的な使用に耐えることを求めると同時に、感情的な価値も得られることを重視しています。
「内卷」や「不安」は現代社会において広く見られる現象です。職場での昇進競争、学業での激しい競争、あるいは日常生活のさまざまな挫折などが、人々に大きなプレッシャーを与えており、無視できない社会的現象となっています。プレッシャーの中で、人々はますます慰めを求めるようになっています。

調査データによると、80.6%の人が「内巻」のプレッシャーを感じています。16.2%の人は「内巻 nèi juǎn」が仕事に影響を与える、または深刻な状態になっています。

このような社会的なプレッシャーにより、消費者の消費観念も以前とは大きく変化しました。
「悦己 yuè jǐ」とは、過度な競争いわゆる「内巻」を拒み、個人の体験や感覚に目を向けるZ世代を指します。彼らは、自己の成長と発展を追求する一方で、自分だけの精神的な楽園を切り拓き、十分にストレスを和らげ、感情を解放し、自らを癒す力を得ようとしています。
「悦己主義 yuè jǐ zhǔ yì」とは、消費者が自らの感情的なニーズを満たし、生活の質や幸福感を高めるために行う、必需ではない消費行動を指します。その核心は、消費を通じて自己の喜びや情緒的な価値を得ることにあります。このような消費スタイルは、個性化された選択を重視し、即時的な満足と精神面での充足を同時に満たすものであり、現代人のより良い生活への追求を反映しています。
「悦己主義」と同じく、「国潮 guó cháo」、「小確幸 xiǎo què xìng」も最近流行っている言葉です。
「国潮」というのは「国潮」とは、現在の若者がもはや高価な海外ブランドだけを追い求めるのではなく、コストパフォーマンスが高く、中国らしさを感じられる国産品をより好む傾向を指します。
「小確幸」とは、生活の中で小さいながらも確かな喜びをもたらす出来事を指し、特別なことではないが、心に温かさや満足感を感じさせるものです。現代の若者は「自己満足(悦己)」と「小確幸」を追求しており、生活の中でコストパフォーマンスが高く、感情的価値や文化的特色を持つ商品や体験を選ぶことで、日常の中で実感できる小さな幸福を得るとともに、ストレスを緩和し、自己充足感を高めています。
時代の進展に伴い、中国は生産型社会から消費型社会へと移行しました。消費の目的はもはや単なる実用性だけではなく、商品に込められた感情的価値、情緒的つながり、達成感も同様に重要になっています。伝統的な考え方では、中国人は「メンツ(体面)」を重んじるとされてきたが、今の若い世代にはその意識が薄れています。彼らはもはやいわゆる「メンツ」のために生きるのではなく、自分自身のニーズを重視し、自分が楽しく生きられることを最も大切にしています。