“池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国留学に関しての情報・ノウハウを提供しています。
【私の中国留学】
2014年1月 河南省鄭州大学にて
先日、イーチャイナ池袋校の開校10周年イベントを行いましたが、その際に「10周年の振返り」ということで留学から開校10年までを振り返った動画を作成しました。
思い起こせば「中国語0」の状態から、会社員を辞め中国へ留学に行ったことは人生の1大決心で、長女も生まれたばかりだったので、今思うと「よくチャレンジしたな~」と我ながら思います。背中を押してくれてずっと支えてくれたのは妻で、彼女と一緒にならなければ自分はずっと会社員をしていたのではないかと思います。改めて「ありがとう」と伝えたいです。
2013年の2月から河南省の鄭州大学に留学するために、まずは妻の実家へと引っ越しをしました。鄭州大学へは車で1時間ほどの距離、中国で言うとそう遠くない距離だと言えます。
3度目の中国は相変わらずスケールが大きく、道路も建物もみな日本と比べて広く大きいです。留学生を受け入れている鄭州大学の新キャンパスは郊外にあり、1周約4Kmほどの大きさで、授業する教室、留学生の寮、食堂、図書館、スーパー、携帯ショップ、美容院など敷地内が一つの町の様相なので大学の敷地内から出なくても暮らせてしまう作りになっています。日本だとあまり考えられないでしょう。
2013年3月からは、いよいよ入寮することになりました。月~金は大学の宿舎で暮らし、週末は近くのバス停から妻の実家までバス移動するという生活でした。寮は2人部屋だったのでルームメイトは韓国人の男の子でしたが、お互いの言語はもちろん分からないので、コミュニケーションするには中国語を話すしかありませんでした。彼は私より中国語が上手かったので、中国語を上達させるにはとても良い環境だったと思います。
中国留学をする日本人の方は1人部屋を希望する方が多いですが、メリットはプライバシーがある反面、デメリットは中国語を聞かなくなることです。留学して思ったことは日本人1億人程度は80億の人口の中では圧倒的にマイノリティなので、日本を飛び出すと日本語をほとんど聞かなくなるということで、せっかく一念発起して中国に来たならば、積極的に中国人と交流した方が、よいということです。
1年という期間はあっという間で、周りが中国人だらけという、この最適な中国語学習環境を最大限活かすべきだと思います。中国留学しても、環境に慣れずに部屋に引き籠ってしまうという話も聞きますが、ぜひ積極的に中国人と交流してほしいと思います。
同時期に鄭州大学にいた日本人は中国人学生4万人の中で4名のみで、1人は日本語学科の先生、留学生は2人で、うち1人は定年後の年配の方でした。留学生の比率で言うと韓国人が半数近くでしたが、後期になると中国の「一帯一路」政策の影響で中央アジアの「~~スタン」の国々やインド、ネパール、さらにアフリカ班も結成され、世界情勢を反映しているな、と思いました。特にアフリカ班の学生達は成績が悪いと帰国させられるらしく、一生懸命中国語を勉強していました。
授業を行う「教学楼」は宿舎から歩いて10分くらいなので、スーパーや露店で朝ご飯を食べたり、中国スタイルです。部屋で食べても、教室で食べても自由です。授業は8:00から始まるので朝は早く、午前の授業は8:00~12:00程度で、午後は基本自由時間です。1週間の中で「閲読」「リスニング」「会話」「総合」のクラスを4人の先生が授業してくれます。午後は大学側で選択科目(太極拳、書道、作文、文化体験など)を準備してくれるので希望者が参加します。
運動場はとても広く、バスケットゴールや卓球台がそこら中にあるのでボールさえあればいつでもスポーツもできます。午後の空き時間で30ヵ国くらいの学生達が入り混じってサッカーをしたのはとても良い思い出です。
私より10歳くらい年下の子たちと一緒の中国語の授業でしたが、みんな若隔てなく接してくれ、楽しかった思い出ばかりです。もちろん成績もあるので、アジア系の学生は比較的真面目に授業に出席して勉強していましたが、中には寝坊して遅刻して来たり、来ない学生もいました。私は毎回の授業は必ず出席して、宿題もしっかり行っていたので先生にもクラスメートにも「日本人は真面目だね」と言われたりしました。ここでもやはり本人の中国語上達に対する姿勢が大事なのだと思います。
留学して中国語を真剣に上達させたい方にお勧めなのは、「辅导朋友」と一緒に勉強することです。中国には日本で教育学部にあたるような「対外漢語」という学部があります。これは外国人に中国語を教える学問なので、将来、先生になりたい子たちが所属しています。授業も進んでくると担当の先生が「対外漢語」学部の学生達を連れてきてくれ、それぞれペアになってお互い勉強するように勧めてくれました。学生達は外国人に中国語を教えるリアルな練習ができ、留学生側は中国語の勉強ができます。お互いwinwinだと言えるので、私は午後の空き時間はできるだけ時間を合わせて教えてもらうようにしていました。
ほとんどの大学には「対外漢語」の学部がありますので、ぜひ一緒に勉強してくれる友達を見つけてほしいと思います。
2013年の9月、私にとって後半の授業からは宿舎を出て、妻の家族の縁で大学近くのマンションから通学するようになりました。自転車で約20分くらいの距離です。これは中国人の親族がいるからできることですが、一般の日本人の方はやはり寮で生活する方がリーズナブルで大学生活を満喫できると思います。中国語で不動産契約のやり取りが難易度が高いことと、午前中のみで基本帰宅するとやや大学から部外者になるようなイメージがあります。
私は学習院大学時代に中国古代史を専攻していたので、中国の観光地や史跡は非常に興味があるところで、週末や夏休み冬休みを利用して様々な場所を訪問しました。一般に3月上旬~7月上旬で授業、その後、夏休み、9月上旬~1月上旬で授業、その後、冬休みとどちらも2ヵ月程度あります。洛陽、開封、許昌、安陽など河南省の名所、四川、武漢、上海・蘇州・杭州とどれも良い思い出です。ぜひ中国にいる間にいろいろな場所を訪れてほしいと思います。
中国語の学習に関しては前半の終わり頃2013年の7月にHSK4級にまず合格できました。この頃には大学での中国語での生活もあまり困らないようになっています。鄭州大学の留学生クラスは全部で6クラスあったので、もともとの班から一つ上のクラスにもお願いして参加できることになりました。後半も12月頃にはHSK5級の対策クラスにも参加し、見事合格できました。担当の先生にも1年で5級を合格できるのは「非常棒」と褒められました。
日本に帰国後、1年程度の勉強をして、その後、6級も取得することができました。
お世話になった鄭州大学の先生たち
2014年の1月で充実した私の中国留学生活は無事に終わりとなりました。やはり1年はあっという間でもっと留学してよいならもっと留学したかったな、と思います。
留学の区分として私は「语言生」という学位が出ない区分で、中国語上達を目的として行きましたが、上のクラスにいた韓国人の女性は成績も優秀だったので、中国の学生と中国語で一緒に授業を受ける「本科生」に進学しました。学部学科を選択して、それぞれの専攻を決め、良い成績が求められます。さらにその上には「硕士」と「博士」があります。
「语言生」は大学側からすれば、「お客さん」扱いなのでいつでもウェルカムです。よほどの難関の大学でない限り、学費を納めてくれれば留学できます。どの地域、どの場所で学びたいのかの大学選びが決まってくれば比較的留学は難しくはありません。河南省は日本と同じくらいの1億人程度の人口がいますが鄭州大学は河南省でNo1の大学です。中国人の大学受験は非常に激しい競争がありますが、外国人の方が門戸が広いと言えます。
私の留学時には妻が手続きを行いましたが、中国と中国語がある程度分からない方には難易度があります。特に中国は日本のようにきっちりしていないことも多々あるため、極端な例で言うと担当次第で対応が変わったりもします。
この辺りの留学代行の手続きに関して、不安がある方はイーチャイナで留学代行のサービスがあるのでお気軽にご相談ください。
2014年4月イーチャイナ池袋校を開校
2014年1月下旬に日本に帰国後は、埼玉の実家に戻り、中国語教室開校へ向けての準備を始め、池袋での物件探しや引っ越しを経て、とうとう「イーチャイナアカデミー池袋校」を立ち上げることができました。2013年の中国鄭州大学への留学は今の中国語教室を運営する上での貴重な経験と財産となってくれており、非常に有意義な1年間でした。
その後、生徒が1人また1人と増え、同じ方向を向いて進んでくれる先生たちも増え、10年が経ちました。改めて生徒や先生たちに感謝を申し上げます。
次の10年も引き続き皆様に最適な中国語学習環境がご提供できるように努力奮闘していきます!
イーチャイナ池袋校 校長 市川 洋介
イーチャイナ池袋校—–開校10周年の歩み
お勧めレッスン: マンツーマンレッスン
中国留学の代行