“池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国語学習者にお勧めの中国ドラマをご紹介します。ドラマを見ることで日常的に使える中国語表現をたくさん学ぶことができます。気になるドラマはぜひチェックしてみてください。ドラマをよく見る方は中国語の上達も早くなります!
【武則天:2015年】(Wǔ Zétiān)
中国史上ただ1人の女帝であり、「中国三大悪女」として名高い則天武后(624年~705年)。中国では一般的に武則天と呼ばれています。その数奇な生涯を、中国トップ女優范冰冰(ファン・ビンビン/Fàn Bīngbīng)が妖艶に演じた壮大な歴史エンターテイメントです。全82話と言う大長編で、総製作費56億円、スタッフ・キャストは総勢1,000人にもおよびます。3,000組を超える豪華絢爛の衣装や宮廷セットなど全てにおいてケタ外れ。本国では2015年ドラマ視聴率No.1を記録した超大作です。
舞台は唐の2代皇帝・太宗(=李世民)の時代です。低い身分ながらも美しく純真な武如意(後の武則天)は希望に満ちあふれ、期待を胸に14歳で後宮入りします。後宮には多くの側室がいましたが、武則天はその美貌と才覚を発揮し、太宗の寵愛を一身に受けるようになるのです。一介の側室から唯一無二の女帝へと上り詰めていく強靭なヒロインに共感を感じられるかどうかは、好みがわかれるところかもしれません。
武則天はこれまで幾度となくドラマ化や映画化され、冷酷で無情な悪女として描かれてきました。しかし本作はひとあじ違います。女性らしさの中にある強さや国を統治していく革新的な手腕や、子供たちと良好な関係が結べずに苦悩する母としての一面など、いままでのイメージを覆す人物像を描いたのです。
また、日本の大奥を彷彿させる女性たちの愛憎劇も見どころのひとつです。美しい妃たちがここまでやるかというくらいドロドロとした女の闘いを繰り広げ、毎回ハラハラさせられて目が離せません。さらには皇子たちによる皇位継承争いも並行して描かれ、骨太なドラマとして奥行きを与えています。
主役の范冰冰は、言わずと知れた中国を代表するスターです。日本ではサントリーウーロン茶のCMに起用され、ハリウッドでも映画『X―MEN Future past』に出演する等、いまや世界的女優といっても過言ではありません。皇帝役の张豊毅(チャン・フォンイー/Zhāng Fēngyì)は、金城武も出演した中国のアクション映画『レッドクリフ』で曹操を演じた演技派俳優です。また、ヒロインの幼馴染みで初恋の人を演じた李晨(リー・チェン/Lǐ Chén)は范冰冰の指名で出演を果たしました。
実は范冰冰と李晨は本作共演をきっかけに交際が始まり、ビッグカップル誕生と話題になりました。17年9月に婚約を発表していたのですが、そこから2年もたたないうちに破局してしまったのです。2人の交際期間中の18年春には、范冰冰の巨額脱税疑惑が持ち上がり、一時は人前から姿を消したことで安否が心配されたこともあります。世間を騒がせ続けている范冰冰ですが、その実力は本物です。本ドラマの撮影時は三十代半ばでしたが、十代から晩年までを一人で演じきりました。そんな彼女の美しさを余すところなく伝えてくれる『武則天』、セクシーでゴージャスな宮廷ファッションとともに一見の価値ありです。