おすすめ中国語ドラマ【庆余年】

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国語学習者にお勧めの中国ドラマをご紹介します。ドラマを見ることで日常的に使える中国語表現をたくさん学ぶことができます。気になるドラマはぜひチェックしてみてください。ドラマをよく見る方は中国語の上達も早くなります!

【庆余年:2019年】(qìngyúnián)

文学史専攻の大学生が、現代の概念で古代文学史を読み解きたい、と教授に提案しますが間違っていると指摘されます。そこで教授を説得するために、自分の書いた「庆余年」という小説の内容を教授に語って聞かせるという体裁で話が進んでいきます。

そして舞台は小説の中の設定へとタイムスリップします。古代の慶国という架空の時代に、青年が派閥の権力争いに巻き込まれながら、かつて政変によって殺害された母の死の真相を探っていきます。とはいえドラマはシリアスな雰囲気ではなく、ユーモア要素満載で楽しんで視聴することができます。

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で人々の在宅時間が増え、ドラマの再生回数も全体的に例年を大きく上回る伸びを示しています。ニュースサイトの新浪(SINA)が公開したランキング(2020年8月時点)では、「慶余年」が82億回を超えて第1位になりました。

主役には『ダイイング・アンサー ~法医秦明~『や『霍去病』の張若昀(チャン・ルオユンZhāng Ruòyún)が抜擢されました。共演は『楚喬伝(そきょうでん)~いばらに咲く花~』の李沁(リ・チン/Lǐ Qìn)やベテラン俳優陳道明(チェン・ダオミン/Chén Dàomíng)、呉剛(ウー・ガン/Wú Gāng)を始め、中国演劇界の実力派が勢揃いしています。キャストやセットも豪華でかなり見応えがあります!

ところでタイムスリップというテーマを扱った映画やテレビドラマは、実は中国政府によって禁止されています。フィクション作品とはいえ、現状に不満を抱く主人公が過去へ旅に出るという設定や過去の改変は、共産党政府への批判にあたるという理由からです。放送業界では歴史ドラマでタイムスリップを扱わないことは暗黙のルールとなっています。

なぜ『庆余年』の放送が可能だったのかはっきりしたことはわかりませんが、ネット配信が中心だったからではないかという説や、大学生による創作小説内での劇中劇だから、などといわれています。

ところで2008年に出版された猫腻による同名の原作小説は超大作のため、全3シーズンに分けてドラマ化し、総話数は150話から165話にも及ぶと制作側は発表しています。中国では2019年11月から2020年1月にかけて第1シーズンまで配信されました。第2シーズンの撮影は2020年の年末からという噂もありますが、配信されるのはまだまだ先になりそうです。3シーズンの総製作期間は5年にも及び、一説では総製作費は10億元(約165億円)にも上るとか。中国ドラマにおいて類をみない、かなりの巨額の投資が見込まれます。中国ではSNSサイトで早く続きが見たいと待ち望む声が多数あがっていますし、このドラマにハマってしまうと、続きが気になること請け合いです。

 

 

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