おすすめ中国語映画【剃頭匠】

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国語学習者にお勧めの中国映画をご紹介します。映画を見ることで中国に対する歴史や文化などの理解が深まるとともに日常的に使える中国語表現をたくさん学ぶことができます。気になる映画はぜひチェックしてみてください。

 

中国についてよく分かる傑作映画10

現代史・社会問題・自然災害

私たちは中国について、古代から近代までは学校の世界史で学びますが、現代史については学ぶ機会は多くありません。しかし今の中国を知るためには、そしてこれからの日本と中国との関係を考えるためには、現代史を知ることが非常に重要です。
今回は、近現代の歴史、社会問題、自然災害に関する映画を中心にご紹介いたします。社会問題や自然災害も、中国の近現代の歴史と大きく関わった問題ばかりを扱いました。中国について学ぶことはたくさんありますが、中国がどんな歴史を歩んできたか、まずそれを知ることから始めてみましょう!

【剃頭匠:2006年】(Tìtóu jiàng)

2006年製作/105分/中国
邦題:胡同の理髪師
日本配給:アニープラネット

 

胡同(Hútòng)とは、北京市中心部に点在する古い路地のことです。
700年前の元代、北京の街の原型が築かれた時代から、いまに続く、古い街並みが残された場所です。
しかし経済発展や北京オリンピック開催に伴う都市整備や再開発で、保存地区とされる一部を除き改築や取り壊しが行われています。
そんな北京の下町、胡同(Hútòng)を舞台に、93歳の現役理髪師の日常を描いたのが、この作品です。
主人公、敬大爷(Jìng dàyé)を軸に、胡同(Hútòng)に暮らす人々の生活が描かれています。

敬大爷(Jìng dàyé)を演じるのは、実際に93歳にして現役理髪師、キャリア81年の靖奎(Jìng kuí)さんで、映画のほとんどのシーンは靖奎(Jìng kuí)さんの実生活を映し出しているそうです。
慣れ親しんだ自分の家の立ち退きを余儀なくされた時でも、その現状をただ受け入れる敬大爷(Jìng dàyé)の姿に憤りを感じずにはいられません。
敬大爷(Jìng dàyé)からお金をただ黙って受け取ることしかできない失業した息子の姿、そしてまた息子が訪れた時に敬大爷(Jìng dàyé)がお金を差し出そうとするシーンは、思わずため息が出てしまいます。
この映画では、度々身近な人が亡くなりますが、家族がいる人もいない人も、孤独を感じさせる生き様に中国の深刻な超高齢化社会の現状について考えさせられます。

『剃頭匠』(Tìtóu jiàng)予告編

 

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