おすすめ中国語映画【后来的我们】

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国語学習者にお勧めの中国映画をご紹介します。映画を見ることで中国に対する歴史や文化などの理解が深まるとともに日常的に使える中国語表現をたくさん学ぶことができます。気になる映画はぜひチェックしてみてください。

 

中国についてよく分かる傑作映画10

社会問題・都市と地方・生活様式の違い

今回は主に、文化大革命以降の歴史、社会問題、現代中国の生活様式や食文化の違いに関する映画をご紹介いたします。急速に発展を遂げた現代の中国を知る上で、文化大革命以降の歴史は非常に重要です。

また社会問題では、現代において非常に身近で複雑なテーマを扱った映画をご紹介させていただきます。時には目を覆いたくなるような場面もございますが、ぜひ最後までご覧下さい。

【后来的我们:2018年】(Hòulái de wǒmen)

2018年制作/120分/中国
邦題:僕らの先にある道

監督: 劉若英(Liúruòyīng)/制作:张一白(Zhāngyībái)

主演:井柏然(Jǐngbǎirán)、周冬雨(Zhōudōngyǔ)、田壮壮(Tiánzhuàngzhuàng)

 

 

夢を抱き、遙光から北京へ上京した男女の物語です。
友達から恋人、そして苦楽を共に過ごし、将来をも思い描いた相手との2007年から2018年までの約10年が描かれています。
この映画では、除夕夜(Chúxì yè)の様子や、地元と都会での暮らしの違い、北京で夢を追う若者たちとその厳しさが描かれています。

林见清(Línjiànqīng)と方小晓(Fāng xiǎo xiǎo)は、地元に帰省するために乗った電車で出会います。
见清はゲームクリエーターを目指し、小晓は北京在住の男と結婚し北京に住むことを夢みます。
小晓に惹かれながらもどうしても素直になれない见清は、いい友達として小晓の傍でただ見守ることしかできません。
见清の周りからは何人も同じ夢を追いかけた友人が去っていき、小晓は何度も失恋し、二人とも北京で生きることの厳しさを経験していきます。

それでも见清と小晓は、意気揚々と朝から晩まで働き、お互い励まし合いながら、衣食をともに過ごします。
次第に互いの夢を応援し合っていた関係から、互いの夢が自分の夢へ、そして自分の夢がそうではなくなった時、二人を待っていた運命はその時二人が望んでいたものではありませんでした。

「北京暮らしはギャンブル。金が尽きないうちは何度でもやり直せる。全力で取り組もう(见清)」

まさに北京は夢を叶える場所、そして叶えるまでどんなに屈辱的な思いをし、成功するのと引き換えに大事なものを失ったのか、北京で懸命に生きる若者のリアルが伝わってくる作品です。

監督は、歌手や俳優と多方面で活躍し才女として注目されている刘若英、制作は映画監督としても有名な张一白です。

『后来的我们』予告編

 

まとめ

 

1978年という年、それは中国の歴史における分岐点ともいえる年です。

1979年から始まった 「改革と開放」 の政策以降、中国は約30年の間、年平均で10%近い経済成長を遂げてきました。

今回ご紹介した映画から、この1978年という年、そしてそれ以降の時代の雰囲気を感じていただけたと思います。

こうして中国は劇的な発展を遂げましたが、さまざまな問題もありました。

再開発による立ち退き問題、中国と台湾の分断、児童誘拐や人身売買、エイズ村、高齢化問題等。

これらは中国で課題とされていることのごく一部ではありますが、こうした社会問題を通じて中国について改めて考えるきっかけになったと思います。

それ以外にも、中国の生活や文化が伝わってくるような映画もご紹介いたしました。

食文化、中国の銭湯の文化、障害を抱えた家族、中国の内モンゴル自治区の暮らし、結婚式などの慣習、村の貧しさと都会への憧憬、除夕夜(Chúxì yè)の様子や、地元と都会での暮らしの違い、北京で夢を追う若者たち等、より身近に中国を感じていただけたと思います。

まだまだご紹介しきれていない中国の魅力がたくさんあります。

ぜひこれをきっかけに中国についてもっと学んでみてください。

 

 

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