“池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国語学習者にお勧めの中国映画をご紹介します。映画を見ることで中国に対する歴史や文化などの理解が深まるとともに日常的に使える中国語表現をたくさん学ぶことができます。気になる映画はぜひチェックしてみてください。
中国についてよく分かる傑作映画10選
現代史・社会問題・自然災害
私たちは中国について、古代から近代までは学校の世界史で学びますが、現代史については学ぶ機会は多くありません。しかし今の中国を知るためには、そしてこれからの日本と中国との関係を考えるためには、現代史を知ることが非常に重要です。
今回は、近現代の歴史、社会問題、自然災害に関する映画を中心にご紹介いたします。社会問題や自然災害も、中国の近現代の歴史と大きく関わった問題ばかりを扱いました。中国について学ぶことはたくさんありますが、中国がどんな歴史を歩んできたか、まずそれを知ることから始めてみましょう!
【我和我的祖国:2019年】
(Wǒ hé wǒ de zǔguó)
2019年製作/155分/中国
英題:My people My country
配給:アリババ・ピクチャーズ、ボナ・フィルム・グループ、華夏電影発行
人気映画百花賞 (2020)最優秀監督・最優秀俳優・最優秀助演俳優・最優秀新人
中国長春映画祭 (2020)ゴールデンディア賞最優秀中国長編映画
新中国成立から70年間の7つの歴史的瞬間を題材としており、黄建新がプロデュースし、陳凱歌(Chénkǎigē)が総監督を務めた、新中国成立70周年を記念した映画です。
陳凱歌(Chénkǎigē)、張一白(Zhāngyībái)、管虎(Guǎn hǔ)、薛暁路(Xuēxiǎolù)、徐崢(Xúzhēng)、寧浩(Níng hào)、文牧野(Wén mùyě)の監督7人が1部ずつ担当したオムニバス映画で、この70年の間にあった中国人民にとって思い出深い7つの歴史的瞬間をモチーフにした物語からなっています。
建国の大典で中国初の五星紅旗が無事掲揚されるよう奮闘した作業員、初の原子爆弾実験成功の裏側で人知れず青春を捧げた科学研究者、北京五輪開催期間中のタクシー運転手など、それぞれのエピソードは実話を元にしているため、物語がよりリアルで親しみを感じられるような内容となっております。
この映画は、全ヨーロッパ規模で同時公開されましたが、中国映画がヨーロッパで同時公開されるのは初めてです。
日本でも公開が予定されておりましたが、プレミア上映のみで、まだ公開はされておりません。
PVを歌っているのは、第2のテレサ・テンと呼ばれるほどの人気歌手、王菲(Wángfēi)です。
この映画では中国の大事業と関わった7組の一般人の物語が描かれており、一般人の視点から中国の大きな時代の流れを捉えられます。
『我和我的祖国』(Wǒ hé wǒ de zǔguó)予告編
まとめ
清朝崩壊から、国民党政権、日中戦争、日本による統治、第2次世界大戦、中華人民共和国建国、そして文化大革命から改革開放、それから急速に発展を遂げた中国。
今回ご紹介した映画は、目まぐるしい政治的変動の中で激動の時代を生き抜いてきた中国を、清朝中国の最後の皇帝の生涯、京劇役者の生き様、日本占領下の中国の村人達、国営工場の閉鎖、唐山大地震の被害、長江・三峡ダム建設、個人の経験から描いています。
また現代に渡って問題になっている中国の超高齢化社会や農村部と都市部における経済・所得格差問題は、中国の現代史なくして考えることができません。
今回ご紹介した映画を見て、よりその問題の深刻さについて身近に感じていただけたかと思います。
しかしこれらの映画では語りつくせない程、中国は奥が深いです。
今回の映画をきっかけに、もっと中国について学んでみてはいかがでしょうか?