インバウンド向けコラム-代购

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、ホテル業の方や中国人のお客様に接客する方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。

【代购】(dài gòu)

「代购」という言葉を聞いたことがありますか?代理購入の略で、一般的には国外にいる人が代わりに商品を購入して、送り届けてくれるシステムのことを指します。大きく2パターンがあり、⓵中国国内で購入希望者を募った後、日本に買い付けに来る。②売れ筋の商品を日本で大量購入し(爆買い)、中国のネットサイトなどで転売する。があります。②に関しては個人利用、少量でも広義で「代购」と呼ぶため、日本に旅行に行く知人・友人や在日の家族や友達に購入を頼むこともよくある話です。「代购」の市場規模は19兆円以上あり、さらに拡大が予想されますが、ここまで広まった背景として以下3つが指摘されています。

1、 中国では「信用」を重視するので信頼できる人の口コミを重視する。
友人知人の口コミを重視するので、友達が良いと言った商品は自分も欲しがります。またインフルエンサーと呼ばれる影響力のある人、例えば最近話題になった中国の女優ファン・ビンビン(范冰冰)がSNSでアップした化粧品が全て売り切れるなど、その威力は絶大です。

2、 淘宝を中心に中国のECサイト取り引きが個人間中心である。
個人で商品を日本から送ってもらい、それを淘宝で転売します。例えばメルカリなどは中国から仕入れることは難しいため、信頼する在日の友人に購入と発送を依頼します。

3、 正規の海外品は関税やマージンで割高
商社などが正規のルートで輸入すると関税や増値税などが上乗せされるため割高になるが、個人輸入であれば安価に輸入することができます。

またかつての「代购」はブランド品や化粧品、家電製品などが中心だったが最近では日本の薬品も人気で、その影響により日本の製薬会社が恩恵を受けています。
拡大する「代购」では問題や軋轢も起きており、例えば「人文知識・国際業務」の在留資格で滞在している中国人女性が、余暇を利用して代理購入を行い逮捕されました。総額約3,600万円(約189万元)相当の商品を中国に送り、約1千万円(約52万元)の利益を得たということで、「出入国管理法」違反および脱税で逮捕されました。日本のインバウンド市場を後押しする反面、今後の課題も多いようです。

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