中国で就職するには

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任や出張などビジネス向けの方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。

【中国で就職するには】

中国で就職先を探す場合、電話やメール、微信などを使ってのやり取りがメインになりますが、返事が遅かったりなかったり、余計なエネルギーを使うことがあるかもしれません。先方の事情や状況も分からず不安になることもあります。中国での就職においては「待ち」の姿勢は厳禁です。そもそも中国ではあまりに人が多いので、自分から何か行動を起こさないと何も動きませんし、変えることはできません。日本のように待っていれば周りが何かしてくれるということは期待しない方がよいでしょう。不安なことがあれば自ら調べて、動くことで、もしやりたい仕事を見つけたなら積極的にアプローチをして、面接までこぎ着けるような行動力が必要です。

 

仕事探しから渡航準備まで

 

中国で就職するまでには、求人情報の収集から企業への問合せ、応募、面接、採用決定後の渡航準備までの段階があります。大まかな流れは日本での就職活動と大きく変わらないように見えますが、中国就職ならではのスピード感と現地の日本人求人マーケットの把握、就労ビザの取得など日本での就職活動と大きく異なる部分もあります。こうした違いを理解し、綿密な計画を立てていくことが成功の秘訣です。最も重要なのは第一歩を踏み出す際の「事前準備」で、この準備があれば無用な失敗を防いで内定を獲得し、後悔のない就職へと繋がるでしょう。

 

≪中国就職までの流れ≫

1,事前準備・情報収集

中国就職に必要な能力や条件などを事前によく把握しましょう。同時に中国で就職する目的を明確にして自分のやりたいことやれること、自身のキャリアの棚卸をしましょう。

2,仕事探し

中国現地の人材紹介会社への登録やネットでの情報収集、日本での中国就職セミナー、紹介など出来る限りの手段で求人情報を入手しましょう。中国における求人マーケットを理解する必要もあり。

3,応募

求人内容をよく確認し、その会社へ向けたアピール応募書類を準備しましょう。中国の求人は募集から採用決定までが早く、気になる求人があったらすぐに応募する姿勢が大事です。

4,面接

書類選考が通ると面接で、一般的に中国現地に自費で渡航して面接を受ける形です。最近では1次面接をオンラインで実施する企業も多いです。

5,採用内定

内定連絡を受けたら雇用条件や就労ビザ申請の手続きなども確認しましょう。

6,渡航準備

中国での就職を快適にスタートするため、準備はしっかりと行いましょう。退職手続きや住居探し、引っ越しや行政手続きなど渡航前は何かと忙しくなります。

7,就業開始

 

【求人情報の収集】

 

中国就職の初めのステップとして求人情報の収集から始まります。主なものとして、中国現地の人材紹介会社への登録、求人サイトの閲覧、ネット検索、現地求人情報誌、口コミや知人の紹介などがあります。日本国内の転職と比べると断片的な情報になりがちなので様々なツールからより多く情報を得て比較検討し、より精度の高い見通しを立てるようにしましょう。

日本では就職の時期になると一斉に学生の求職活動が始まりますが、中国では特に際立った時期はなく、通年で募集している企業が多いです。春節前後にボーナスをもらってから退職する中国人は多いと言われますが、日本人への求人にはあまり変化はありません。また日本人留学生の修了時期(12~2月、4~6月)は留学生が一斉に就職活動を開始するので求職者が増える傾向はあります。

主に日系企業の現地法人を中心に情報収集を行うことになりますが、日本に比べて情報が少なく、出来る限りで調べるようにしましょう。会社の事業が何であるか、日本の本社のホームページや中国現地法人の名前で検索したりします。場合によっては中国法人のホームページがない場合もあるので注意しましょう。日本本社がいくつかの事業を行っている場合には中国でそのうち何をメインで行っているかを知るだけでも就職後の働くイメージが違ってきます。
また日本人を採用する理由や実際の職務内容、どういう組織に所属するかなど調べられることは積極的に調べましょう。例えば営業職であれば、新規開拓の営業もあれば、既存顧客のサポートもあります。疑問に思うことは面接の際や、ツテがあれば実際に働く人から様子を聞けるなら仕事のイメージがしやすいでしょう。実際に中国のどの都市で働くかも考慮にいれ、現地の情報や生活環境なども確認できるとよいでしょう。

 

人材紹介会社を活用しよう

 

人材紹介会社は就職斡旋してくれる会社で求職者と求人企業のマッチングを行ってくれます。中国にはおそらく世界一の日系人材紹介会社があると思われ、中国に進出している日系企業のニーズを把握し、事業展開しています。上海、蘇州、北京、天津、大連、広州、深圳などの日系企業が多い都市には必ず人材紹介会社があると言えます。求人を依頼する企業が採用決定時に紹介手数料を支払う仕組みで、求職者は無料で転職支援が受けられるので活用しない手はありません。自分一人で就職活動を行うよりも、格段に効率よく就職活動を行うことができるのが最大のメリットです。

 

≪人材紹介会社を利用するメリット≫

・中国に進出する日系企業が日本人を採用したい場合、そのほとんどが人材紹介会社に依頼するため、効率的に求人先を探すことができる
・人材紹介会社経由で応募すると、企業との間に入ってくれるので待遇交渉や内定辞退など言いづらいこともスムーズに進めることができる
・人材紹介会社にはこれまでの経験が蓄積されているので、情報提供などサポートが期待できる。
・限られた渡航時間内にできるだけ多くの企業とアクセスしたい場合は人材会社のアドバイスに従う方が得策。
・偏った見方、判断になりそうな時に求人マーケットを熟知したプロから中立的な情報が得られる

 

人材紹介会社の選び方

 

人材紹介会社の選び方としては、規模や取り扱いの求人数、webサイトの情報の信頼性や更新頻度、担当者の対応などを参考にするとよいでしょう。基本はオンラインで求人者登録を行い、ネット上での求人案件を探していきます。会社によっては毎日情報を更新し、メルマガ発行なども行っているので、複数サイトを比較してそれぞれの特徴や強みを把握して自身の就職活動に役立てましょう。
中でも最も大切なのは担当のキャリアコンサルタントとの相性です。多くの人材紹介会社では日本人の転職支援には日本人のキャリアコンサルタントが担当していますが、本人の希望やキャリアを無視するような担当者は問題ありです。親身になって相談に乗ってくれるような担当者に出会うことができれば成功する就職に近づくことができると言えるでしょう。
選択肢を広げるために複数の人材紹介会社に登録することはまったく問題ありませんが、重複応募は求人先の企業にも不信感を与えてしまうので注意するようにしましょう。

 

人材登録会社のホームページに登録しよう

 

実際に人材登録会社のホームページに登録する際は、その登録情報をもとに求人先を紹介されるのでできるだけ詳しく自分に関する情報を入力しましょう。登録が完了すると担当者からメールや電話にて面談の連絡が来るようになりますが、連絡を待つだけでなく、こちらから積極的に状況を確認するとよいでしょう。担当者にいつまでに日本の会社を退職し、いつまでに中国転職したいなどと「本気で中国就職を希望している」ことを示せば、担当者も親身になってサポートしてくれるはずです。登録段階で希望の求人がなくても、担当者が熱意を汲んで、可能性がありそうな企業に打診してくれることもあります。
希望の転職マーケットに適した希望条件の設定方法や応募会社での面接人アピール方法、ビザ取得の可能性などインターネットで入手しづらい貴重な情報を得ることができ、かつ中国転職マーケットのプロの客観的なアドバイスももらえます。キャリアコンサルタントとは密に連絡を取って、積極的に情報収集を行いましょう。
また日本にも拠点がある人材紹介会社は定期的に日本でも中国就職セミナーや相談会を実施しているので活用しましょう。中国に渡航せずに日本で企業の担当者から話しを聞けるのは非常にメリットです。

 

知人の紹介

 

人材登録会社やネット情報からの求職活動以外に役立つのが、知人からの紹介や情報です。
中国では日本以上に、人脈や口コミが力強い味方になってくれるもので、就職前にしろ後にしろ人のネットワークに意識してアンテナを張っておくことが大切です。
例えば、留学期間中に日本の出身大学のOB会や出身都道府県、同年代の日本人会などに参加し、駐在員や実際に現地で働いている人と人脈を広げておくことで、思わぬところから求人情報が入ってきて採用が決まったりすることもあります。また日本国内でも友人、知人、前職の取引先、大学の先輩などからの紹介の例もあり、大事なのは「自分は中国で働きたい」という熱意を周りに伝えておくことです。周囲に「中国の就職先を探している」という意思表示をしないことには紹介のされようもなく、そこがまず第一歩になってきます。

ただし、面識のある人や知人紹介などで内定をもらい、それを無下に断るようなことは避けた方がよいでしょう。また働き始めてすぐに退社するようなことも問題です。紹介者の面子を潰すことになるので、その人との関係が悪くなるばかりでなく、相手の企業へも迷惑をかけることになります。紹介の場合は実際に面接を受ける前に企業の内情や雰囲気などを確認できる利点がありますので、入社後に実際どのような仕事をするのか、本当に自分が働きたい会社なのかなど下調べを十分に行う必要があるでしょう。紹介では雇用条件や待遇なども聞きづらいかもしれませんが、曖昧にせずしっかりと確認しましょう。

 

熱意を伝えて、自分での直接応募をする

 

少し勇気のいる方法ですが、日本人の求人を出していない会社に直接アプローチする方法もあります。よく調べて自分の希望と能力が活かせる会社で貢献できると判断できるのであれば挑戦してみる価値はあります。コンタクトをとる方法としては、直接会社に電話をしてみたり、ホームページに掲載されている問い合わせのアドレスに連絡してみる、などです。受付に電話して、事情が分からない中国人に「知らない」と言われてしまう場合も考えられるので、できるだけ決裁権をもっていそうな人事部や日本人駐在員などとコンタクトをとるようにしましょう。実際に、経験と熱意が買われて採用に至ったケースもあります。
この直接アプローチする方式は企業の人事担当者にインパクトを与える自己PRができるかどうかにかかっており、履歴書と職務経歴書とともに自分を雇うメリットを相手に納得させる自己アピール文を添付するとよいでしょう。わざわざ対応してくれたことや時間をとってくれたことに対する感謝も忘れずに表すようにしましょう

 

【応募から内定までの流れ】

 

応募から内定までの流れは日本とほとんど同じで、応募⇒書類選考⇒1次面接⇒2次面接⇒内定、というところがほとんどです。大きく違うのはそのスピード感で、日本だと採用までに1~2ヵ月かかるのが一般的ですが、中国だと早いケースでは1週間で決まる場合もあります。それは決裁権を持つ日本人駐在員の判断で採用できるからで、本当に必要な人材であれば即決する時もあります。中国ではうかうかしていると良い人材は他に流れてしまう、と考える傾向があるので、スピード重視での採用もよく見受けられます。面接では仕事上の経験や中国への親和性、そして何より人柄を見られます。

中国での面接では必ず「最短でいつから入社できるのか」入社日を聞かれます。前任者の補充のための採用であれば急ぎであるので、企業側にとってなおさら入社時期が重要になってきます。日本で在職中であれば、内定から退職に要する時間を見積もって置く必要があります。今の会社の退職通知の期間、中国に渡航するのに必要な日数をおおよそでもいいので計算に入れておきます。内定が出た場合は採用通知(雇用条件)を書面で発行してもらい、後々にトラブルにならないようしっかりと確認をします。採用通知⇒雇用条件を書面で確認⇒入社の意向を伝える⇒就労ビザの申請⇒就労ビザの取得⇒正式な雇用契約⇒現地での労働開始といった流れになっています。

 

応募書類の作成

 

日本の転職活動と同じく、中国の場合もまずは書類選考から採用活動が始まります。全ての企業に同じ内容の自己PR文を送ったり、募集要項にそぐわない的外れな自己PR文を送ったり、誤字脱字がある文章などするようでは結果は分かり切っています。第三者に一度、チェックしてもらうだけでも書類内容を改善できるでしょう。
日本企業に応募する際は日本語の履歴書と職務経歴書を送るのが普通で、中国語の履歴書を求められることはほとんどありません。現住所が日本の場合、志望度が高い企業に関しては面接渡航する意欲や熱意を書き添えると印象も変わります。渡航の手間や費用を考えても就職したい意欲が企業側に伝わるでしょう。
職務経歴書の書き方はネットで検索すると様々情報が見つかります。独りよがりにならないように、これまでどんな経験をしてきたか、自分の強みは何かなど第三者が見ても見やすく分かりやすく作成すると良いでしょう。中国への転職でプラスになるような語学力や中国への親和性なども漏れなく記載してアピールしていきます。

求人先を選びすぎて、なかなか応募に踏み切れない人も中にはいますが、実際に面接を受けてみると応募会社のイメージが変わったり、踏み込んだ情報が聞けるなど予想とは違った展開になることもあります。興味があれば積極的に応募して、面接での印象から就職を決めるくらいの気持でもよいくらいです。例えば実際に上司になる人が面接担当者で、面接時に仕事現場の様子が聞けたりと参加することで得られる情報もあります。求人票とにらめっこしているよりは積極的に行動することが大事です。また応募条件に多少合致しなくても、志望する会社であれば挑戦してみる積極性も必要です。例えば中国語力は条件に足らなくてもそれ以外のやる気や人柄が評価されて内定が出たりすることもあるので、できるだけ可能性は広げたいものです。

複数企業に同時に応募し、選考に進むこともまったく問題ありません。企業側も複数の応募者から比較検討しています。注意点は応募先の企業ごとに自身で書類や進捗を管理する必要があります。できるだけ同時期のタイミングで応募するようにして、1社は内定、1社は書類選考といった差が生まれてしまうとどちらかのチャンスを逃すことになります。面接のため中国に渡航する場合は、人材紹介会社などを利用している場合は、渡航期間中に複数企業の面接を受けられるようアレンジしてもらえるのでぜひ活用しましょう。

 

現地面接が基本

 

書類審査を通過するといよいよ面接ですが、中国の就職では基本的に面接は中国現地で行い、渡航費も応募者が負担するのが一般的です。書類やオンラインで途中選考を対応してくれても一度も中国に渡航せずに就職が決まるケースはかなり稀です。企業が人材を選ぶ際に、その人のスキルや経験はもちろんのこと、はずせない人柄や性格なども大事な要素で、それは実際に顔を合わす対面での面接が判断の基準になってきます。
この中国現地での面接が一番ネックになっているという人も多いですが、中国に渡らないと前に進まないというのも現実で、中国就職を実現した人は出来る限り時間をやりくりして、就職を決めています。フットワークの軽さが非常に大事で、やはり積極的に動くことが成功への道です。

面接のための渡航は5日間滞在できるとベストです。日本の会社に勤務しながら日程の調整をするのは難しいかもしれませんが、日本で在職中に就職を成功させた人に共通するのは、長期休暇や有給休暇を利用して中国に渡航し、効率よく面接を受けていることです。タイミングさえあえば短い渡航日程でも複数社の面接を受けることができます。渡航スケジュールを立てる際には土日や中国の祝祭日を確認し、面接の機会を逃さないようにしましょう。中国は15日以内であればビザなしで入国ができますので、すでに退職してる場合には時間の余裕があります。1日に2,3社程度面接を受けられる効率的なスケジュールを立てていきましょう。

 

面接官との応答

 

中国での面接は基本上司となる日本人との面接が多いと思ってください。求められている者は日本と同じで、「日本的なマインド」があるかどうかです。丁寧さ、粘り強さ、モラルの高さ、などで、明るい挨拶、時間厳守、清潔な身だしなみ、礼儀正しい言葉使い、ハキハキとした言葉遣いは同様に好感を持たれます。また応募した企業について働きたい強い意欲があることも大事なので事前に整理してすっきりと答えられるようにしておきましょう。面接は自分自身が企業を見極める絶好の機会でもあるので受身になるのではなく、自分が知りたいことや確認したい事項もその場で聞き、自分も働く会社を選んでいるという姿勢を持ちましょう。

面接で聞かれることは基本日本での面接と同じで、個人のプロフィール、経験した仕事内容、志望動機、転職理由、退職理由、なぜ中国で働きたいのか、希望の給与、勤務開始可能日、何年働く予定か、などです。一つの質問に対して1~3分程度で簡潔に答えるようにして、もし他に応募している企業があるかどうか聞かれたら、素直に認めて問題ありません。わざわざ中国に渡航して1社しか受けない人はほとんどいないので、企業側もその辺りは理解しています。選考状況が進んでいる企業がある場合は状況も説明し、「御社にも非常に興味があるので可能であれば早めに結果連絡をいただきたい」などと正直に伝えると、急いで結果を伝えてくれる場合もあります。タイミングの違いでチャンスを失うのはもったいないので、注意していきましょう。

企業の中には日本語の他に中国語でも面接を行う場合があります。通訳などの高い中国語力が求められる場合は別ですが、面接官は業務遂行ができるだけのヒアリング力や会話力を見ることが目的です。あくまで基本は日本語ですがスキルチェックのために簡単な質問が出されます。例えば自己紹介や前職での経験、コミュニケーションとしての日常会話などが聞かれることが多いでしょう。

 

【中国就職はゴールではない】

 

中国で就職した人の声には、その後のキャリア設計についての不安が多くあります。中国で就職しスキルを磨いて日本に帰国するのか、そのままずっと中国に住むのか今後の自分のキャリアプランをしておくことが大事です。日本も終身雇用や社会保険の制度も徐々に不安定になり、留学経験や海外のグローバルな環境で働いた経験のある人の需要は今後も高まるでしょう。中国で働くことは新たなスタートラインに立つということで、中国で働きながらその先の人生のキャリアを作っていくのは自分自身なのです。3年後、5年後を見据えて中国就職を考えていきましょう。

 

 

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