中国ビジネス向けコラム-中国の人事・労務の注意点

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任や出張などビジネス向けの方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。

【中国の人事・労務の注意点】

中国に進出する日本企業が多くなっている理由の一つに、労働者の賃金が安いことが挙げられます。中国でのビジネスは人件費の節約ができるなどからも日本人経営者がビジネス拠点として選ぶことが多いのです。ただ、異国の地であると同時に日本人とは異なる習慣を持つこと、労務管理は難しさがあるといわれており簡単に考えているとトラブルが起こることがあるため注意をしなければなりません。

近年中国は急速な経済発展を成し遂げており、その反面で地方での労働者の賃金は比較的緩やかに上がる傾向です。都市部では急激な上昇であるのに対して地方での賃金上昇が緩やか、結果的に低賃金でありながらも高物価の状況下での生活を強いられているわけですから、地方で働く労働者は賃金やその他の待遇において改善を求めるケースが多いのです。こうした状況を懸念して、中国政府は2008年に労働契約法やその実施条例・労働争議調停仲裁法などの労働関連法を策定・施行しています。これらの法律の目的は、労働関係法制度の完備をはじめ、労使関係の安定化や労働者の権利を保護することです。

しかし、この労働契約法で定められている疾病療養期間を悪用するなど、仮病で休む労働者も少なくないといいます。そのため、中国でビジネスを行う場合には中国式の労務管理テクニックを把握しておくことが重要な課題になって来るのです。面接の際には履歴書を持参することになりますが、この履歴書にも嘘偽りがあるともいわれており、履歴書の詐称を見抜くための事前調査が必要不可欠です。試用期間中の労働者は労働契約法により保護されているので、試用期間内で解雇(歴任ではないなどの理由)を行うと、その会社は立証責任を負わなければならなくなります。日本企業は人件費を引き下げる目的で現地従業員を最大限に活用するケースが多いのですが、従業員すべてを現地労働者にすると会社の財産を横領することもあれば親戚を雇うなどの不正行為を働くケースが多いため、日本人労働者の導入も必要不可欠です。

 

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