効率よく学習するには~記憶の定着率~

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。こちらのカテゴリーでは中国語入門の方へ役立つ情報を中国語を交えて紹介していきます。

【効率よく学習するには】~記憶の定着率~

 

「長時間がんばって勉強しているのに、勉強した内容がなかなか覚えられない」とか「年をとったので物覚えが悪くなって」といった声を受講生の方から耳にすることがあります。「人間の記憶力」という部分に焦点をあてて、効率よく学習する方法を探してみましょう。

 

ラーニングピラミッド

 

学校での授業から社会人での新人研修、資格取得のための勉強など「人生は学び」がずっと続きます。人間がずっと繁栄してきているのは知らないことを「学びたい」という「探求心」があるからでないでしょうか。

人類の技術の発展により「学ぶ」方法も多種多様になってきました。読書から始まり、講義、実技、議論、最近ではeラーニングなどさまざまな方法で学習を行いますが、現代人は忙しく、学習時間が限られていて状況では、より効率の良い方法での学習がスムーズに学習内容を身につけることにつながります。いくら勉強してもなかなか成果がでないという人はこの学習方法を見直すだけで思わぬ効果が出るかもしれません。

アメリカ国立訓練研究所の研究によると、学習方法と平均学習定着率の関係は「ラーニングピラミッド」という図で表すことができるそうです。

講義を受ける・・・5%

読書をする ・・・10%

視聴覚(ビデオ・音声)による学習・・・20%

デモンストレーション(実演を見る)・・・30%

ディスカッション(他者と議論する)・・・50%

実践による経験・練習      ・・・・75%

他人に教える          ・・・・90%

例えば大学での単位のためだけの興味のない授業など一番記憶に残らない代表だと言えます。反対に人に教えるためには自分自身がしっかりと理解をする必要があるため最も記憶に残り、スキルとして自分の中に残っていきます。覚えたい内容を効率よく脳に定着させるには、誰かに強制されてダラダラ勉強するのではなく「ラーニングピラミッド」に沿ったスケジュールで能動的・積極的に学習することが有効だと言えます。自分から能動的に何度も学習に関わっていくことで勉強への興味も高まり、それまでなかなか覚えられなかったことも実践・経験を通して確実に脳に定着していくでしょう。

記憶の定着のカギは「能動的な学習」だと言えるでしょう。

 

エビングハウスの忘却曲線

 

「人は何かを学んだあと、20分後には42%忘れてしまう」そう言ったのはドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスです。エビングハウスは、無意味な音節を記憶し、時間と共にどれだけ忘れるかを数値化する実験を行いました。それが下のグラフ、「エビングハウスの忘却曲線」です。

人が何かを学んだ時、

20分後には42%忘れる

1時間後には56%忘れる

9時間後には64%忘れる

1日後には74%忘れる

2日後には75%忘れる

6日後には77%忘れる

31日後には79%忘れる

 

ということが分かります。そのためには定期的に記憶に再定着することが必要で、例えば一度覚えた単語テストを定期的に繰り返して定着率を高めていく必要があります。受験生の時に使った英単語帳が確かに有効で、今では様々便利なアプリがあるので記憶の定着に活用するとよいでしょう。通勤時間やお昼休憩、夜寝る前などに復習することでかなりの違いがでてきます。

 

幼少期は言語習得の黄金期

 

アメリカの言語教育の権威T.アンダーソン博士によると大人と子供では言語習得の方法が180度異なります。およそ10歳前後を目安に「体験的に言語を習得」し、それ以降は逆に「論理的に言語を習得」する能力へと変わっていくそうです。6歳ころまでの幼児が確かに顕著で親やテレビから聞く「音」を聞いただけで覚えることができます。幼少期に言語習得することは子供に備わった能力を最大限に活用できると言えます。

 

 

人間の脳のピーク年齢

 

マサチューセッツ工科大学で認知科学を研究するジョシュア・ハーツホーン氏によると人間の能力のピーク年齢は、能力ごとに違っているそうです。加齢に伴う知能の変化に関する研究で下の図のようになっています。

情報処理力や記憶力などは10〜20代でピークを迎えるので、大量の知識を覚える受験勉強などは確かに若いほうが有利ということでしょう。「ITエンジニア35歳定年説」などが表すように記憶力は若い方が優れているのが一般的な認識です。しかしすべての能力のピークがこの年齢ではないようです。

図によると、例えば集中力は40歳を超えてからがピークで、短時間で仕事の資料を作ったりと働き盛りに見合った能力です。人の感情を読み取る力は48歳がピークとあり、いろいろな立場や経験がなければ相手の感情を理解することは難しいと思えるので、納得できる分析結果です。さらに見ていくと、基本的な計算能力、歴史的な出来事や政治的な思想といった一般的な情報を学び、理解する能力は50歳がピークとなっています。

もう若くないから、学びが意味がない、忘れてしまうという方にもまだまだうれしい研究結果です。

 

中国語の学習方法

コロナ禍で「新しい学習のあり方」も様々見直されてきましたが実際の学習効果はどのようになっているでしょうか。対面レッスン、オンラインレッスン、録画視聴、eラーニングでの学習者の上達を見ていると、やはり如何に「能動的に学習に取り組んでいるか」で結果が変わっているように思います。講師から課題や宿題など指示、指導することがありますが、本人の学習モチベーションによって上達するスピードがやはり違います。

「学ぶ」ということはやはり本人が能動的に取り組んでいるかどうか、「アクティブラーニング」が重要だと言えます。

 

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