赴任向けコラム-中国の通貨

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任の方、中国出張が多い方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。

【中国の通貨・人民元】

中国に出張・赴任する場合に気を付けなければならないことがいくつかありますが、現在の中国ではいわゆる「人民元」が正式な通貨として広く流通しています。

長い歴史を誇る中国において、通貨は様々な変遷をたどってきました。現在は元ですが、中国の通貨は元々は殷の時代に貝が使われていました。周王朝でも貝が用いられその後の春秋時代にいよいよ貨幣に取って代わられます。貨幣といっても青銅であり、この時代には商工業が発展したことで商品のやりとりが盛んに行われ通貨の流通も見られるようになったのです。戦国時代には日本円のように円形に穴が開いた形が採用され、広い中国で全国的に流通しました。日本は中国から様々な影響を受けていますが、この円形の通貨も現在の日本円の由来となっています。時代を経て宋の時代には世界初の紙幣である交子が発行され、商業の中心であることを国内外に示すことになります。ところが交子はいとも簡単に印刷ができることから多く流通し、インフレを招く結果となり結果的に元王朝が衰退するきっかけとなりました。中国ではこのように何百年も続いた王朝であっても、貨幣が原因で滅亡した王朝も存在するのです。その後、銀や金が取引に使われるようになると日本との貿易でも銅銭や銀銭が日本にもたらされます。1948年に現在の銀行券が発行され、世界的に流通しています。

その頃の中国では「圓」が使われていましたが、画数が多く使いにくいことから発音の似ている現在の「元」に変わりました。現在の人民元紙幣は100元から1元まででそれぞれ色付けが異なっています。元、角、分が通貨の単位で1元=10角=100分となりますが、物価もかつてに比べると急激に上がってきているので「分」はほとんど見ることはないでしょう。また口語では1元=1块(kuài)、1角=1毛(máo)と言うのでよく中国に行かれる方はこちらの方を聞くこともあるでしょう。

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