身体髪膚、これを父母に受く

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国の文化を紹介しています。語学を勉強するにはその国の文化を理解することも必須です。中国文化を知ってより中国語を楽しみましょう!

【 身体发肤受之父母】 

(shēn tǐ fà fū shòu zhī fù mǔ)

 

『孝経』には、「身体发肤,受之父母。不敢毁伤,孝之始也。 bù gǎn huǐ shāng , xiào zhī shǐ yě 。」という言葉が書いてあります。人の身体は自分のものではなく、両親から授かったもので、子孫が自らの肉体を損なうことは、祖先に対する不敬、つまり不孝ということの意味です。

 昔の人々は、儒教思想の影響で、普段の生活の中で髪を絶対に切ってはいけないものだと認識していました。自分の髪が長いほど家族や友人、社会などとの絆が強くなると考えられていたからです。逆にこの世との縁を切りたい人は、髪を剃り、出家してお坊さんになります。

 清朝(1644~1912)における男性の髪型のことを「辫发biàn fà」と言います。頭の上に少し髪の毛を残してあとは全部剃り上げ、残した髪の毛を三つ編みにします。

 清朝末になると、革命を起こそうと立ち上がった若者たちは辮髪を切ることを革命精神の象徴の一つとしましたが、多くの人は切りたがらなかったです。けれども時間とともに辮髪を切る動きは加速し、中華民国が成立した時臨時大統領に選ばれた孫文は「今日から二十日以内に辮髪を切ること、従わない者は違法行為をしたとみなす」と宣言します。こうして辮髪は中国の大地から消えていったのでした。

 髪と同じで、爪も親に授かったもので、切ってはいけません。しかし、長すぎると普段の生活に支障がでるので、切った爪を集めて、死んだ後に一緒に埋葬します。

 

 昔の封建思想と比べると、現代人は自由です。親から授かった体だけではなく、性の指向の自由性を求める人たちもどんどん出てきました。2018年に全国20〜59歳の約6万人を対象にLGBTについてのアンケート調査(LGBT総合研究所による調査)を行った結果、10%がLGBTに該当すると報告されています。また、2022年現在で同性結婚が合法で認められている国も32に増えました。

 親孝行は中国の美徳の一つです。これからもずっと伝えていくべきです。しかし、社会はどんどん進化していく中で、親孝行も今の社会にふさわしい形で臨むべきです。

 

 

 

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