“池袋中国語コラム”とは・・・ |
中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任や出張などビジネス向けの方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。
【中国の就業環境】
日本よりワークライフバランスに優れる
日本の企業はまだまだ残業文化が残っていますが、中国では定時になると中国人社員が一斉に退社する光景をよく見かけます。中国人と日本人の間では残業に対する考え方が大きく違っており、日本人は仕事が期日までに終わらなければ自主的に残業しますが、中国人にはその考え方は通用しません。
逆に中国人から見ると日本人は働きすぎと映るようで「サービス残業」という考え方は中国人にはありません。残業をするならしっかりと残業代をもらい、自分に予定があるのなら残業は断る、というのが中国人の考え方です。しかし、これは中国人だけの考え方ではなくて、世界的に見ると日本人が特殊なのであって、欧米や東南アジアでも時間になったら帰るというのが一般的です。
日本人は1仕事、2家族、3自分と優先順位を付けることが多いですが、これは稀なケースで、世界一般で見ると1家族、2自分、3仕事と如何に日本人のワークライフバランスが偏っているかが分かります。中国の日系企業で働く中国人従業員も例外ではなく、彼らに影響を受けるのか多くの日本人達も日本にいる時より残業時間が少なくなり、プライベートの時間が増えたと答えています。
女性が働きやすい環境
中国は男女同権の意識が強く、結婚しても女性の姓は変わりません。日本では「専業主婦」という言葉があるように女性が結婚後に仕事を止めて家事や育児に専念するということが未だに残っていますが、中国では結婚後も女性は男性と同じように働き、夫婦共働きが当たり前です。「寿退社」という言葉も中国ではなく、女性が結婚や出産を機に退職するケースはほとんどありません。夫が家事や育児を妻と同様にこなすという風景は中国ではさほど珍しくありません。
また一般的に中国では出産後、女性はすぐに職場に戻り、子育てや家事を祖父母がサポートする文化です。公園などに行くと孫の世話をする祖父母の姿を頻繁に目にします。また家事やベビーシッターの利用が日本よりも浸透していたり、男性の育児休暇取得も日本より進んでいるので女性が働ける環境が整っています。
男女の職種の垣根は日本よりずっと開放的で、中国の女性CEOの割合や管理職の割合でも大きく日本より進んでいます。やはり日本に比べて中国では女性が活躍しやすい環境があり、ほとんどの女性が「日本にいる時よりも女性が働きやすい環境がある」と回答しています。
中国人のキャリア意識
中国に進出している日本企業は「中国人はすぐに転職する」という前提で事業を行っているところが多く終身雇用が染みついている日本と比べ、転職は当たり前のことです。中国人の考え方として同じ給料ならより高い給料のところで働きたいとはっきり主張しますし、常にステップアップのチャンスを狙っています。日本人と比べると企業への忠誠心が低いと見えるかもしれませんが、転職を人生の重大な出来事と受け止める人は少なく、自身のキャリアアップの一つに過ぎません。中国人の転職理由の1番は給料ですが、2番目は「キャリアの将来性」です。その職場で働いて何が得られるか、自分をどう成長させるか、逆に得られるものがなくなったなら次の職場に移っていくという考え方をします。
日本の会社では転職が多すぎると、仕事が長続きしない人という悪いイメージを持たれることが多いですが中国では当たり前のこととして意識されています。
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