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赴任地を愛する「駐在員の心得」

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。このカテゴリーでは、中国赴任や出張などビジネス向けの方にお勧めの情報・ノウハウを提供しています。

【赴任地を愛する「駐在員の心得」】

中国によくいる「赴任地を愛せない」駐在員

 

企業にとって中国ビジネスを円滑に進めるためには、現地に派遣する駐在員の人選は非常に大事です。現地の中国人従業員たちと日本の本社との橋渡し役にもなるので、その人選によって中国ビジネスが成功するかどうかの命運がかかっていると言っても過言ではないでしょう。

一般的に駐在員は日本での業務に精通しており、かつ海外での環境に耐えうるストレス耐性のある人材が選ばれます。世界各国の企業は中国が魅力あふれる市場だと認識する一方で、政治体制や中国人ならではの考え方にビジネスリスクを感じています。特に日本では中国に対するマイナスの報道やニュースが目立つので、中国や中国人に対するネガティブなイメージが強いことは周知の事実です。

近年、企業の従業員では中国への赴任を喜べない、受け入れられないといった例が増えて来ています。本当は中国に行きたくない、しかし社内事情で止む無く赴任するという人にとっては「赴任地」を愛することは相当なハードルになっているでしょう。

それでも中国現地でのビジネスを円滑に進めるためには、大前提として「赴任地を愛する」ことが必要です。「赴任地を愛する」ことを無視して、喜べない気持ちのままビジネスを進めるか、ビジネスを円滑に進めるために割り切って、赴任地を愛する努力を始めるかの選択を迫られるのです。

実際、中国には赴任地を愛せない駐在員という例が散見されます。中国現地が嫌で嫌で仕方なく、なぜ会社は他の人間にしてくれなかったのか、なぜ私が中国に来ないと行けなかったのかと悩み続けます。こういった人は終始、不機嫌な顔で、不必要な人とは一切口を利かず、コミュニケーションを取ろうとしないのです。

このような日本人を現地の中国人従業員たちはどのように思うでしょうか。一緒に頑張ろう、とか初めての中国だから助けてあげたい、と思うでしょうか。ある大手日本企業の現地法人の日本人社長はこのような人で、普段から「中国人は嫌いだ」「中国人は信用できない」と公言し、日本人ばかりと会話し、現地従業員たちとは話しもせずに引き籠っていたそうです。社長がそのような態度だからか、結果、様々な事件や事故が多発しました。社長は問題が起きても具体的な対策を示せず、中国人社員の人達も困り果て、優秀な人材が一人また一人と退職していきました。結局、事態を重く見た日本の本社が社長を交代させることとなりました。

「赴任地を愛せない日本人」は現地従業員たちも困るだけでなく、最終的に日本本社や日本人社員達も不利益を被ることになる例です。

中国人は日本人上司をよく観察している

 

中国人は人の本質を見抜くのに非常に鋭い感覚を持っています。多くの現地中国人従業員を部下に持つ駐在員はとりわけ厳しい目線で見られます。『中国人のやる気はこうして引き出せ』(塙明彦氏、ダイヤモンド社出版、2012年)で塙氏は「上から5年、下から1日」と書いています。初めて中国に来る言葉も文化も分からない日本人駐在員が中国人の部下を理解し、掌握するには5年程度かかるが、中国人の社員たちが上司の日本人駐在員の本質を見抜くには1日しかかからないといった、ことからの言葉です。ある日系企業で、日本人社長が何をするにしても日本本社にお伺いを立て、自分では何も決められない様子を見て、部下の中国人が失望し、次々と会社を辞めていったという事例も紹介しています。

中国に進出している日系企業の管理職のアンケートでは、一番悩ましい問題は「中国人従業員のやる気、モチベーション」という結果が出ています。大勢いる中国人社員たちは一概に仕事に対する意欲がなく、勉強もしない、それでいて口を開くと給与や待遇への不満ばかり要求してくるといった声が多く聞かれています。こういった中国に進出している日系企業は社長や幹部社員は日本人ということが多く、通常3年から5年ほどで交代して日本に帰っていきます。現地の中国人従業員からすると、新しい人が来ても5年程度でまた別の人がやってきて仕事の方針ややり方をガラッと変えるのだろうと見越しています。それならば、できるだけ前例踏襲の今までのやり方で無理せず楽に働きたいと合理的に考え、無難に仕事をしていこうという姿勢になります。日本人からするとやる気がないと見える行動も、中国人からすると合理的な判断の結果だと言えます。

ある日系企業の社長は、このままでは良くないと思い、中国員従業員たちにやる気を出してもらうために、まずは自分がこの任地で骨を埋めるくらいの覚悟が必要だと考えたそうです。それまでは自分も「いずれ日本に帰る」と思い、中国語は通訳に任せて中国語を勉強する気はなかったようですが、このような思いから中国語の猛勉強を始めました。中国語は発音が難しく、中国人たちも習得が大変なことは知っています。しかも仕事をしながら時間を作って中国語を勉強するということは並大抵のことではありません。中国人従業員たちは日本人の上司たちが中国語を勉強していると聞くと非常に嬉しそうにしますし、中国語を使って話しをしたりするとさらに喜んでくれます。実は中国語を勉強しているかどうかということは中国人が日本人を見る時の、一つの重要な判断要素になっているのです。私たち日本人が日本語を一生懸命勉強する外国人を見ると嬉しくなるのと同じ感情を抱きます。中国語を勉強する人は、しない人よりも中国を大切に考えていることを示す指標になっているのです。

 

「赴任地を愛する」として、中国語の勉強を一例として挙げましたが、これはどんなことでも実践できます。まず中国に興味を持ち、中国や中国人のことを良く理解することが大切です。いずれ日本に帰るのだからという消極的な気持ちは当然、中国人たちにも伝わってしまうものです。中国人従業員のやる気やモチベーションを高めることは非常に困難な課題ですが、「赴任地を愛する」ことがその初めの一歩になるのだと心掛けて行くことをお勧めします。

 

 

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