冬至には餃子、夏至には冷麺

 

“池袋中国語コラム”とは・・・

中国語学習者のための”池袋発”中国語学習に役立つコラムです。中国に関することだけでなく様々な話題を中国語を交えて紹介していきます。

冬至には餃子、夏至には冷麺

今年の6月21日は夏至です。夏至の日には、多くの地域で麺を食べる習慣があります。「冬至には餃子、夏至には麺」ということわざもあります。

 南方では陽春麺などのスープ麺が多く食べられ、北方では冷やし麺(冷淘面)、ジャージャー麺(炸醤面)、あんかけ麺(打卤面)など、さまざまな味付けの麺が登場します。北方では、冷たくてさっぱりとした冷麺が人気です。夏至の時期にたいていお客さんはひと皿のひんやり冷たい冷やし麺を食べたがります。特に夏至の日に、冷麺の売上はいつもの4、5倍になります。

 中国式冷面と日本の「冷やし中華」や「盛岡冷麺」は、見た目が似ていても、作り方・食材・味付けの面で大きく違います。

 まず麺の冷やし方が違います。中国の冷麺は、麺を鍋で8分通り茹でたあと、すぐに水道水でしめます。その後、熱した油(熟油)をかけて全体をよく和え、扇風機を当てながら15分ほど冷まします。麺が手にくっつかなくなるまでしっかりと冷やします。

 またタレも違います。中国の冷麺には酢、醤油、にんにく、ゴマだれ、辣椒油(ラー油)、ネギ、キュウリ、ピーナツ、パクチーなどがあります。

 それでは、どうして夏至の日に麺を食べるのでしょうか?

 

 尝新(chángxīn)

 夏至に麺を食べる風習があるのは、まずちょうどこの時期に小麦の収穫が終わるからです。中国には「尝新(chángxīn)新しいものを味わう」という習慣があり、採れたての新鮮な食材を食べることが好まれます。

 

祈福(qífú)

 夏至には祖先をまつる祭祀の伝統もあるからです。麺類を食べることには、収穫を祝うとともに、これからの天候が順調であるようにとの願いも込められています。また麺は細長く「長い」という形から、昔から「長寿」や「運気が長く続く」という縁起の良い食べ物とされています。夏至に麺を食べることで、健康や幸運を祈る意味があります。

 

解暑(jiěshǔ)

 夏至は一年で最も昼が長く、暑さが増す時期です。冷たくさっぱりした冷やし麺を食べることで、体の熱を冷まし、食欲を促す効果があります。

 

 夏至を含めて、中国には全部で24の節気:二十四節気があります。各季節にはそれぞれ6つの節気があり、各節気には特有の気候の特徴や関連する習慣・行事があります。これからも皆さんに、他のさまざまな節気についても紹介していきます。

 

 

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