お見積りをお出しすると、かなりの確率でこう聞かれます。「これは、高いんでしょうか」。
もっともな質問だと思います。中国語研修は何度も発注するものではないので、比べる相手がいない。金額だけ見せられても、判断のしようがありません。
そこでこの記事では、費用の目安を具体的な数字で示したうえで、複数社を比べるときに何を見ればいいのかを整理します。イーチャイナの公開単価を使って計算していますが、考え方はどの研修会社を検討される場合でも使えるはずです。

まず、社員研修全体の相場から
比べる物差しとして、社員研修全体の平均を置いておくと考えやすくなります。産労総合研究所の調査によると、2024年度の従業員1人あたりの教育研修費用は36,036円でした。
| 企業規模 | 従業員1人あたりの年間教育研修費用(2024年度実績) |
|---|---|
| 大企業 | 39,553円 |
| 中堅企業 | 36,195円 |
| 中小企業 | 31,788円 |
| 全体平均 | 36,036円 |
産労総合研究所「2025年度(第49回)教育研修費用の実態調査」より。2025年6〜7月調査、集計対象159社。
この3万円台という数字は、語学だけでなく新人研修も管理職研修も含めた合計です。ですので「中国語研修に1人あたり3万円かかる」となると、それだけで年間の教育予算を使い切ってしまう計算になります。逆に言えば、1人あたり1〜2万円に収まるなら、他の研修と併存できる範囲ということです。
この感覚を持ったうえで、実際の金額を見ていきます。
3つのモデルケース
イーチャイナの単価をもとに、よくある3つのパターンを計算しました。いずれも税込です。教材費(入門テキストで1冊2,420円〜)と講師の交通費は別途かかります。出席状況や学習の進み具合をまとめた受講管理画面のレッスン履歴は無料でご覧いただけますが、ExcelやWordの報告書としてのご提出をご希望の場合は、提出1回につき2,200円(税込)が別途かかります(月次なら半年で13,200円です)。eラーニングの利用料は、受講者は無料のため含まれていません。

ケース1|まず試してみる(講師派遣・10名・2か月)
「中国語研修をやったことがないので、まず反応を見たい」という場合です。準一級講師の派遣を90分×8回、受講者は10名。
費用は 12,100円 × 8回 = 96,800円。これに法人登録料22,000円を加えて、合計118,800円。受講者10名で割ると、1人あたり11,880円です。実訓練時間は12時間になります。
ちなみにこの12時間という数字には意味があって、助成金の要件である「1コース10時間以上」を満たします。お試しのつもりでも、助成金の対象にできる設計です。
ケース2|定期的に続ける(講師派遣・20名・週1回・6か月)
いちばん多いパターンです。一級講師の派遣を90分×24回、受講者20名。
14,300円 × 24回 = 343,200円。登録料を加えて合計365,200円。1人あたりにすると18,260円で、実訓練時間は36時間です。
先ほどの平均36,036円と並べると、ちょうど半分ほど。年間の教育予算のなかで、中国語研修が占める割合としては現実的な水準だと思います。
ケース3|赴任前に集中して(通学マンツーマン・1名・週2回・3か月)
中国赴任が決まった社員の方に、出発までの3か月で詰め込むケースです。80分のマンツーマンレッスンを週2回、計24回。
4,870円 × 2コマ × 24回 = 233,760円。登録料を加えて合計255,760円、実訓練時間は32時間です。
1人あたりの金額は他のケースより大きくなりますが、赴任者1名にかかる駐在コスト全体から見れば、そこまでの比重ではないはずです。現地で通訳を都度手配する費用と比べてみると、判断しやすいかもしれません。
助成金を入れると、いくらになるか
ケース2に人材開発支援助成金(人材育成支援コース)を当ててみます。中小企業の経費助成率は45%なので、講師派遣費343,200円に対して154,440円。実質の負担は約21万円、1人あたり10,500円ほどになります。
さらに、経費助成とは別に賃金助成もあります。中小企業で1人1時間あたり800円ですから、受講時間分がここに乗ります。条件を満たせば、負担はもう一段下がる計算です。
ただし、登録料や教材費が助成対象経費に含まれるかどうかは個別の判断になりますし、要件も細かく決まっています。この点は別の記事で詳しく整理しましたので、あわせてご覧ください。
中国語研修に助成金は使えるのか|対象になる研修と、ならない研修
レッスン以外の時間に、何が残るか
ケース2の研修は、週1回90分。月にすると6時間です。一方、社員の方が働いている時間は月160時間ほどあります。この差を見ると、研修の成果が「レッスンの中身」だけでは決まらないことが分かると思います。
語学が伸びるかどうかは、レッスン以外の時間に中国語へ触れているかどうかで、かなりの部分が決まります。ただ「家で復習してください」とお願いするだけでは、忙しい社員の方はまず続きません。
そこでイーチャイナでは、研修を受講される方にeラーニング「スマチュ」を追加費用なしでご提供しています。単体では1アカウント月3,000円のサービスですが、レッスン受講者は無料です。通勤中や昼休みといったスキマ時間に、スマートフォンで中国語に触れられる環境をつくるためのものです。
もうひとつ、法人のお客様に使っていただきたいのが団体管理アカウントです。管理者の方が、自社の受講者の利用状況をまとめて確認できます。誰がどれくらい取り組んでいるのか、逆に誰の手が止まっているのかが、レッスンとは別に見える形になります。
これは研修の運営面でも意味があります。出席率だけでは「来ているかどうか」しか分かりません。eラーニングの利用状況まで見えると、自主的に取り組んでいるかどうかが把握できます。研修の途中で軌道修正したいとき、その判断材料になります。
比較するときの5つの軸

ここからは、複数社から見積もりを取ったあとの話です。金額の大小だけで選ぶと、あとで困ることがあります。私たちが他社と比較検討されるとき、実際に質問をいただくことの多い項目を5つ挙げます。
1|単価が公開されているか
「一式○○円」という見積もりは、他社と比べられません。回数を減らしたときにいくら下がるのか、人数を増やしたらどうなるのかが読めないからです。1レッスンあたり、1回あたりの単価が出ていれば、条件を変えたときの金額を自分で計算できます。
社内で稟議を通すときにも、単価が分かっているほうが説明しやすいはずです。
2|講師の基準が定義されているか
「ネイティブ講師」という言葉は、実はほとんど何も説明していません。中国語を母語とすることと、日本人に中国語を教えられることは別の能力だからです。
講師にランクがある場合は、その基準が何なのかを確認してください。指導歴なのか、資格なのか、対応できる分野なのか。金額差の理由が説明できる会社であれば、講師の管理もできていると考えてよいと思います。
参考までにイーチャイナの場合は、講師全員が国際中国語講師資格の保有者です。そのうえで一級講師は、日本人への指導歴が3年以上の者が担当します。料金表にある単価の差は、ここの違いです。
3|発音と声調をどう扱うか
これは中国語に固有の論点です。中国語には四声があり、ここでつまずくと、その後どれだけ単語を覚えても通じません。逆にここを最初に固めておけば、あとの伸びが違ってきます。
総合的な語学スクールの中国語コースと、中国語専門の学校とで、いちばん差が出るのがこの部分です。カリキュラムの最初の数回に何を置いているかを見れば、その会社が発音をどれくらい重く見ているかが分かります。
4|受講形態を組み合わせられるか
拠点が複数ある、シフト勤務で全員を同じ時間に集められない、赴任者だけ進度を上げたい。実際の研修は、こうした事情との折り合いで決まります。
講師派遣、通学、オンライン、eラーニングを組み合わせられるかどうか。片方の形式しか持っていない会社だと、途中で条件が変わったときに対応してもらえません。
5|効果測定の材料が出てくるか
研修が終わったあと、人事のご担当者は社内に結果を報告することになります。そのときに使える材料が出てくるかどうかは、事前に確認しておいたほうがいい点です。
出席率、進捗レポート、検定の受験結果、受講後アンケート。何をどの頻度で出してもらえるのかを聞いておくと、あとで困りません。助成金を使う場合は、出席の記録が支給要件そのものになります。
先ほど触れた団体管理アカウントも、この材料のひとつです。出席の記録と、レッスン外での取り組み状況が両方見えると、社内への報告はかなり書きやすくなります。
見積もりを依頼するときに、伝えておきたいこと
最後に実務的な話を。次の5点が決まっていると、見積もりの精度が上がり、やり取りの回数も減ります。
- 受講予定の人数と、中国語のレベル分布(まったくの初学者が何名か)
- 目的(赴任前、接客、商談、資格取得など)
- 開講したい時期
- 実施場所と時間帯(社内か教室か、業務時間内か外か)
- おおよその予算感
すべてが決まっていなくても構いません。ただ「まだ決まっていない」ということが分かるだけでも、提案の仕方は変わります。
おわりに
研修会社を選ぶとき、金額はもちろん大事です。ただ、同じ金額でも中身はずいぶん違います。この記事の5つの軸は、その中身を見比べるための道具として書きました。
イーチャイナが単価を公開しているのは、比べていただいたほうがお互いにとって早いからです。条件を変えたときの金額もその場で計算できますので、まずは大まかな条件だけでもお聞かせいただければと思います。
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受講人数と目的、開講したい時期のおおよそだけ分かれば、複数パターンでお見積りいたします。助成金を使う場合の実質負担額も、あわせてご提示します。