中国語研修はどこでつまずくのか|よくある6つの失敗と防ぎ方

研修が終わったあとに「思ったほど伸びなかった」というお話をうかがうことがあります。原因を一緒にたどっていくと、レッスンの中身そのものより、その前後で決まっていたということが少なくありません。

企業研修をお手伝いしてきたなかで、繰り返し見てきたつまずきが6つあります。どれも珍しい話ではなく、むしろ「よくある」ものばかりです。ただ、事前に知っていれば避けられるものでもあります。

順番は、研修の流れに沿って並べました。設計のとき、運営のとき、学習のとき、そして終わったあと。人事や総務のご担当者が手を打てるものから書いています。

資料を見ながら研修の結果を振り返る人事担当者
うまくいかなかった原因は、レッスンの外にあることが多い

1|英語研修と同じつもりで設計してしまう

いちばん多い出発点がこれです。社内に前例があるのは英語研修なので、その進め方をそのまま中国語に当てはめてしまいます。

ただ、この2つは条件がまるで違います。英語は義務教育で6年以上やってきているので、どんなに苦手な方でも基礎の土台があります。一方、中国語は受講者のほぼ全員が完全な初学者です。アルファベットにあたるピンインの読み方から始まります。

ここを踏まえずに「半年で日常会話ができるように」といった目標を置くと、受講者にとっては最初から届かない設定になります。半年でできることは、発音の土台を作り、決まった場面のやり取りを身につけるところまで。それでも十分に意味のある到達点ですが、目標の書き方を間違えると「達成できなかった研修」になってしまいます。

設計の段階で、中国語の到達度がどういう段階を踏むのかを研修会社に確認しておいてください。最初の目標設定を現実的なものにできるかどうかで、研修の評価は大きく変わります。

2|全員の予定が合う前提で組んでしまう

グループ研修で必ず起きるのが、日程の問題です。

始まったときは20名が集まっていたのに、3か月後には毎回5、6名という状態は、決して珍しくありません。悪気があるわけではなく、単純に業務が入るからです。営業の方なら客先の都合が優先されますし、シフト勤務の職場なら全員が同じ時間に空くこと自体が難しい。

やっかいなのは、欠席が続くと本人が戻りづらくなることです。1回休むと内容が分からなくなり、分からないから足が遠のく。そして人が減った教室は、残った方のモチベーションも下げます。

欠席が増え、空席が目立つ企業研修の教室
欠席が続くと、戻るきっかけをつかみにくくなる

ですので、全員がそろわないことを前提に組むのが現実的です。具体的には次のような手当てが考えられます。

  • 欠席した回の内容を、あとから追える形にしておく(録画やeラーニングでの自習)
  • 20名を10名×2クラスに分け、それぞれ違う曜日にする
  • 講師派遣とオンラインを併用し、出社できない日はオンラインで参加できるようにする
  • 出席状況を月ごとに確認し、崩れ始めた時点で日程を組み直す

助成金を使う場合は、もうひとつ現実的な理由があります。人材開発支援助成金は受講者ごとに8割以上の出席が支給の要件です。欠席が重なった方は、その方だけ対象から外れてしまいます。研修の効果という以前に、お金の話として無視できません。

3|研修の目的が、受講者に伝わっていない

人事のご担当者の頭のなかには目的があります。中国拠点との連携を強くしたい、インバウンドの接客を良くしたい。ところが、その意図が受講者本人まで届いていないことがあります。

受講者からすると、通常業務を抱えたまま、まったく知らない言語の勉強が増えることになります。なぜ自分が選ばれたのか、どこまでできればいいのかが分からないままだと、どうしても優先順位が下がります。

初回のレッスンの前に、15分でかまわないので、社内で説明の場を持つことをお勧めしています。何のための研修か、いつまでに何ができていてほしいか、業務のなかでどう使う想定か。これがあるだけで、その後の出席率が変わります。

4|職場が研修に協力してくれない

3つめと似ていますが、こちらは受講者の周囲の話です。

研修の時間だけで語学が身につくことはありません。週1回90分なら、月にして6時間。それ以外の時間に中国語へ触れていなければ、次のレッスンまでに前回の内容を忘れてしまいます。

とはいえ「家で復習してください」とお願いするだけでは、忙しい方は続きません。現実的なのは、机に向かう時間を作ろうとするのではなく、すきま時間に触れる形にしておくことです。通勤中、昼休み、寝る前の10分。スマートフォンで開けるものがあれば、習慣にしやすくなります。

イーチャイナが研修の受講者にeラーニングを無料でお付けしているのは、この時間を埋めるためです。あわせて、上司の方に研修の目的を伝えておくと、受講日に会議が入りにくくなります。研修は受講者だけの問題ではない、というのが実感です。

5|カタカナのふりがなと、丸暗記に頼る

ここからは学習のやり方の話です。放っておくと、多くの初学者が同じ道を通ります。

ひとつは、漢字にカタカナでふりがなを振ってしまうこと。中国語には日本語にない音があり、さらに四声という音の高低があります。カタカナを当てると、ほとんど違う音になります。最初は楽なのですが、この癖がつくと、あとで通じない原因になります。ピンインを面倒がらずに身につけるほうが、結局は近道です。

もうひとつは、フレーズの丸暗記です。漢字を読める日本人は単語を覚えるのが速いので、業務で使う言い回しを丸ごと覚えようとします。短期的には成果が見えるのですが、暗記できるフレーズの数には限りがあります。基礎の文法を押さえておけば、単語を入れ替えるだけで言えることが何倍にも増えます。

口の形を示しながら中国語の発音を指導する講師
最初の数回で発音の土台を作れるかどうかが分かれ目になる

もうひとつ、レッスンの中身についても触れておきます。説明を聞く時間が長く、口を動かす時間が短いレッスンは、上達しません。私たちは聞く3割、話す7割を目安にしています。60分きちんと発音すると、あごに疲労感が出るくらいが適量です。インプットはeラーニングで各自が済ませ、講師と過ごす時間はアウトプットに充てる。この配分が効率的です。

これらは受講者の努力の問題というより、研修会社側が最初に手を打つべきことです。カリキュラムの最初の数回に何が置かれているかを見れば、その会社の姿勢が分かります。

6|成果が見えないまま終わる

ある人事のご担当者から「語学研修は砂に水を撒くようなもので、成果が見えにくい」と言われたことがあります。率直な言葉だと思いました。

費用と時間をかけた以上、社内には何かを報告しなければなりません。ところが語学は、身についたかどうかが目に見えにくい。ここを最初に決めておかないと、終わったあとで困ることになります。

研修を始める前に、何をもって成果とするかを研修会社と決めておいてください。出席率、レベルチェックの前後比較、検定の受験結果、受講後のアンケート、業務での使用場面の報告。どれか一つでも数字が出せれば、報告書は書けます。

イーチャイナの場合、まず受講管理画面をご覧いただけます。講師がレッスンのたびに、その日の進捗と次回までの宿題を入力しています。もともとは受講者向けのものですが、管理者の方もここから研修がどこまで進んでいるかを確認できます。あわせて、eラーニングの団体管理アカウントで受講者ごとの利用状況も分かります。レッスンに来ているかどうかだけでなく、自分から取り組んでいるかどうかまで見える形です。ここまでは追加費用なしでお使いいただけます。

その内容をExcelやWordの資料にまとめてご提出する場合は、有料オプションとなります。担当講師へのヒアリングをもとに作成するため、提出1回につき2,200円(税込)です。月次でのご提出なら、半年の研修で13,200円という計算になります。社内の稟議や報告に定型の資料が必要な場合は、ご相談ください。

まとめると

6つを並べてみると、ひとつの傾向が見えてきます。

失敗の多くは、レッスンの質ではなく設計と運営で起きています。目標が現実的か、日程に無理がないか、目的が共有されているか、成果の測り方が決まっているか。いずれも研修が始まる前に決まる部分です。

逆に言えば、始める前の打ち合わせに時間をかけるほど、失敗する確率は下がります。私たちが最初のご相談で受講者の人数やレベル、実施の時間帯まで細かくうかがうのは、そのためです。

おわりに

ここに書いたことは、どれも私たちが実際に見てきたものです。うまくいかなかった研修から学んだことのほうが、正直なところ多いかもしれません。

中国語研修をご検討中で、社内の状況に不安な点があれば、その段階でご相談ください。「この人数と時間帯だと、たぶんここでつまずきます」といったお話ができると思います。この記事が、その準備の助けになれば幸いです。

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つまずきそうな点は、始める前に潰しておけます。

受講予定の人数、レベルのばらつき、実施できる時間帯。この3点をお聞かせいただければ、どこに無理がありそうかを含めてご提案します。助成金を使う場合の出席要件もあわせてご説明します。

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